第2節 基本則

本稿では、日本語に以下の3つの基本則が存在するものとする。

1)文を構成する複数の語の関係は、助詞その他によって示される。

日本語は、英語のように構文を見極める必要があまりない。したがって、文法としてはそれぞれの語の機能と性質を記述すれば、概ね事足りる。読者は適切な文法書や辞書を参考にしてほしい。筆者は森田(2007)を参考にさせてもらっている。

2)文中の語は概ね重要性の順番に並べられる。

日本語では、語順の自由度が高いが、多くの場合主語を文頭に置く。例外的に文末も重要性が高く、述語句が文末に置かれることも多い。

3)読者が補える自明な語は省略される。

主語でさえ省略されることがある。ここで重要なことは、その語は省略されているだけで、存在しており、読者がそれを補って理解することが想定されている。

1)森田良行、2007、助詞・助動詞の辞典、日本アイアール株式会社

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